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更新日期:2017-05-18
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私の勤めているデーサービスの利用者さんで、大変な京都ファンの女性がいます。
彼女は、私が京都出身だと分かってからは、車でお迎えに行くといつも決まって、
車中で京都談議が始まります。
彼女は、女学校の修学旅行以来、何回となく京都に行き、自分が東京生まれの東京
育ちであることから、京都を故郷のように思っていると言います。
その数ある京都旅行で強烈な印象に残っていることとして、京都で怖い経験をしたことを
繰り返し話されます。
それは、「京都の夜は怖い」という話なのです。
ある時、ご主人と一緒に京都旅行に出かけ、昼間行った「高台寺」辺りを
夜再び行った時、ぞぞっと寒気がしたというのです。
何か霊感のようなものを感じたと言われるのです。
一緒に行ったったご主人に、その旨を話しましたが、何ともないという返事。
「霊感は弱いものに来るんでしょうかね?」
と、問われるので、私は、
「それは、弱いのではなくて、感受性が強いからではないでしょうかね」
と答えました。
その時思ったのです。
京都には、昔から、思いを果たせずに、道半ばで無念の死を迎えた
多くの人たちがいたことを。
そして、その怨霊が今も昔も洛中を彷徨っているのではないか?
そういえば、故郷京都は、今でこそ夜も遅くまで明るくなりましたが、
幼い頃は、繁華街以外は、夜になると、店じまいも早く、
あたりが暗くなるのが常でした。
私もまた夜、御所辺りでよく迷子になり大変怖い思いをしたことが
あったことをよく覚えています。
今となっては世界中から沢山の観光客が訪れる美しい古都京都も、
思えば、1200年の長きにわたり何人もの権力者たちがこの地を目指し、
戦乱によって多くの人の血が流れた場所でもあります。
そのため、京都の地名をひも解くと「そうだったのか!」と背筋が凍るような
言い伝えの数々が残されている場所が少なくありません。
京都は都として長い歴史を持つだけにそこには多くの人々が暮らした土地でもあります。たくさんの人が生きて、死んでいった街には、それだけ死と隣り合わせの場所でもあったということです。
ただ、それだけに人の死という世の無常を強く感じるるのも京都ならではだと思います。華やかな雅びばかりが京都の魅力ではありません。
世の無常を強く感じることで「生きること」の喜びや感謝を再認識出来る街でもあるのです。